ア行
. あーもんどぷーどる【アーモンドプードル】(Almond Powder【英】)
 アーモンドを粉状にしたもの。英語の「パウダー【powder】」=フランス語の「プードル【Poudre】」。アーモンドプードルには「皮つき」「皮なし」の2種類がある。「皮つき」は皮ごと粉にするため色が黒っぽいがアーモンドの味も濃く、フィナンシェやタルト生地に適している。一方、「皮なし」は皮をむいてから粉にするため薄い黄色で見た目は良くなるが少々アーモンドの風味が薄くなる。そのためクッキーやサブレには「皮なし」を使われることが多い。

. あいしんぐくっきー【アイシングクッキー】(Icing Cookie【英】)
 粉砂糖や卵白、水(牛乳)、食用色素などを練って作ったペースト状のアイシングでクッキーに文字や絵、模様などを描いて飾り付けたもの。

. えんがでぃなー【エンガディナー】(Engadiner【独】)
 スイスのエンガディン地方で作られていたといわれる伝統菓子。菓子職人が多いエンガディン地方で日持ちのするクッキー生地で栄養価の高いクルミを包んで焼き上げたのが発祥といわれている(諸説あり)。「エンガディナー」は日本での呼び名で、現地では「ヌストルテ」と呼ばれている。

. おおばんやき【大判焼】
 小麦粉で作った生地に餡・チーズ・カスタードクリームなどを挟んで焼いた丸い形の和菓子。呼称は日本各地で様々な呼び方をされ、その呼び方でその人物の出身地がわかってしまうほど。東北・関東・中部・中国・九州地方の多くでは「大判焼」「今川焼」「回転焼」と呼ばれているが、北海道では「おやき」、山形県では「あじまん」、関西では「御座候」、和歌山県では「太鼓焼」、広島県では「二重焼」と様々である。

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   カ行
. かしつかさ【菓子司】
 「司」は「専門職」の意。ゆえに「菓子司」は「菓子専門職人」。昔は幕府や宮中などに菓子を献上する役のことをいっていたが、現在では「和菓子屋」のことをいう。昭和以降の創業であってもイメージ戦略で「菓子司」と名付ける店もある。

. かぬれ【カヌレ】(Canelē【仏】)
 正式名称は「カヌレ・ド・ボルドー(Canelē de Bordeaux)」。溝のついたカヌレ型に蜜蠟またはバターを塗り、半日寝かせた生地を流し込んで焼いたフランス・ボルドー地方の伝統菓子。

. がれっと・で・ろわ【ガレット・デ・ロワ】(Galette des rois【仏】)
 公現祭の日に食べる「王様の菓子」という意味のフランス伝統菓子。中身にアーモンドクリームと陶製の人形を一つ入れたパイを焼き上げ、その上に紙の王冠を乗せた菓子。パイを切り分けた際に中に人形が入っていた者は王冠を被り祝福を受け、1年間幸福が続くとされている。現在では安全面を考え、陶製ではなくプラスチック製の人形をいれている店も多い。

. がれっとぶるとんぬ【ガレットブルトンヌ】(Galette Bretonne【仏】)
 フランス北西部のブルターニュ地方の伝統菓子。ブルターニュ特産の有塩バターを使った丸型の厚焼きサブレ。太陽を模した丸い形に整形し焼きあげる。イギリスのビスケット「ショートブレッド」がブルターニュ地方に伝わったことがその発端となる。

. きょうりきこ【強力粉】
 小麦粉の中でもグルテン含有量がおよそ12.5以上のもの。主にクッキー・サブレの生成には使用されず、主にパンやソバのつなぎに使われている。水とこねることで弾力の強い生地ができる。一般的にはアメリカ・カナダ産の硬質小麦を製粉して作られている。

. くいにーあまん【クイニーアマン】(Kouign Amann【ブルトン語】)
 フランス北西部のブルターニュ地方の伝統菓子。名称はブルトン語で「バター(amann)の菓子(kouign)」の意味。1860年代のブルターニュのパン屋で小麦粉不足がおこり、極端に小麦粉を少なくパンを焼いたところパンとしては失敗だが、おいしいケーキができたことがその発端。日本では1990年代に流行した。

. くっきー【クッキー】(Cookie【英】)
 北米でいう主に小麦を原料とした小型の焼菓子のこと。名前の由来はオランダ語の「koekjet(小さなケーキ)」が北米で英語に派生したといわれている。「サブレ」との大きな違いはバターやショートニングと薄力粉の割合。サブレが1:1に対してクッキーは1:2。砂糖・油脂を多くし水分を少なめにした生地を短い時間で練って焼き上げることにより、柔らかい食感を生み出すことができる。日本では糖分と油脂分が全体の40%以上の焼菓子のことをクッキーと呼んでいる。

. ぐるてん【グルテン】(Gluten【英】)
 小麦やライ麦など穀物にはタンパク質が6~15%含まれており、そのうち85%が弾力性のあるグリアジンと伸びやすい性質のグルテニンである。小麦粉に水を加えて練るとその二つの性質を適度に兼ね備えた「グルテン」が形成される。また軟質小麦より硬質小麦の方がタンパク質が多く含まれるため、薄力粉より強力粉の方が形成されるグルテンも多い。

. ぐるてんふりー【グルテンフリー】(Gluten Free【英】)
 小麦粉に含まれるグルテンは小腸に悪影響を及ぼす可能性が指摘され、消化不良やだるさをひきおこす原因ともされている。そういう症状や小麦アレルギーから体質改善をするための食事療法が小麦粉製品を口にしない「グルテンフリー」と呼ばれている。クッキー・サブレの生成においても、小麦粉の代わりに、米粉、そば粉などを使っているものが見られる。

. こめこ【米粉】
 お米を細かく砕いて粉状にしたもの。近年、小麦粉の代替として米粉を使用する店も増えてきている。米粉を使用することにより、モチモチとした食感になり小麦粉より油の吸収率が低くヘルシーなものになる。またグルテンフリーのため、アレルギーを持つ人も安心して食べられる。しかし焼菓子に関しては小麦粉より脆い質感になるため、輸送等で型崩れをおこしやすくなる。

. ころんば【コロンバ】(Colomba【伊】)
 イタリア共和国ロンバルディア州パヴィーア発祥の伝統的焼菓子。西暦610年、ロンバルディアの女王がアイルランドからの巡礼者にご馳走を出した際、目の前で肉を鳩の形のパンケーキに変える奇跡でもてなしたという逸話がある。そして現代ではイースターの時期に鳩の形をした焼菓子でイエス・キリストの復活を祝うという風習となった。「コロンバ」はイタリア語で「鳩」の意。

. こんふぃくしょなりー【コンフィクショナリー】(Confectionery【英】)
 日本では「製菓業」のこと。主に砂糖を主成分とした菓子を製造販売する施設。ビスケット・クッキーの他に、チョコレート・キャンディー・ガムなども含む。

. こんふぃちゅーる【コンフィチュール】(Confiture【仏】)
 果肉から砂糖を使って浸出させた果汁を煮詰めた後に果肉を漬けた加工食品。語源はフランス語の「コンフィット(confit)」で砂糖や酢に漬けたという意。ジャムと同じような使い方をされるが作り方は全く違う。果汁と果肉を一緒に煮込んで作るジャムより果肉の形状がわかりやすい。また同じく似たものとして柑橘系に多いマーマレードがあるが、果肉や果汁の他に果皮も一緒に煮込むためジャムのように果肉の形状がわかりにくく、また果皮を煮る影響で少し苦みが残る。

. こんぽーと【コンポート】(compote【仏】)
 果物を水やシロップ・薄い砂糖水などで煮詰めて作った加工食品。もともとは冬に備える保存食としてつくられ、「コンポート」もフランス語で「果物の砂糖煮」の意。ジャムより糖度が低い。

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   サ行
. さぶれ【サブレ】(Sable【仏】)
 ビスケット類の一種。「クッキー」との大きな違いはバターやショートニングと薄力粉の割合。クッキーが1:2に対してサブレは1:1。それによりザクザクとした食感とバターの風味が強い御菓子ができる。名前の由来はフランス語の「sable」が「砂のように脆い」食感を表すことや、サブレが作られたフランスの地名「サブレ=シュル=サルト」から取ったことなど諸説がある。

. さぶれのひ【サブレの日】
 3月20日。サ(3)ブ(2)レ(0)の語呂合わせから「ココナッツサブレ」などを販売する日清シスコ(株)が製品をPRするために制定した。

. じーだんがお【雞蛋糕】
 夜市の屋台などで売られる台湾版人形焼。中身は生地しかなく一口サイズのパンケーキのようなもの。ベーキングパウダーは使わず小麦粉・卵・牛乳など混ぜ、型に流して焼き上げる。

. しふぉんけーき【シフォンケーキ】(Chiffon Cake【英】)
 アメリカ発祥のスポンジケーキの一種。シフォン型を用いて中央に円筒状の穴が開いた形に焼き上げる。生地にはバターではなくサラダ油を使用することによって、よりきめ細やかなフワフワとした柔らかい食感になる。

. じゃむ【ジャム】(Jam【英】)
 果肉や果汁を煮詰め、それらに含まれるペクチンや酸を利用してやわらかくゼリー状に固めて作る加工食品。コンフィチュールと同じように思われるが、煮詰めた果汁に果肉を漬けるという作り方をとるため全く別物。
また果肉果汁と共に果皮も煮詰めて作るマーマレードも全く別物。パンに塗ったり、ヨーグルトに乗せたり、紅茶などに入れたりすることが多い。

. じょうしんこ【上新粉】
 精白したうるち米を洗って乾燥させた後、少量の水を加えて製粉したもの中でも目の細かいもの。目の粗いものは新粉・並新粉、上新粉よりさらに目の細かいものは上用粉と呼ばれる。上新粉は団子や外郎などの原料としても使われる。

. しょーとにんぐ【ショートニング】(Shortening【英】)
 主に植物油を原料とした常温でクリーム・ペースト状になる食用油脂。焼菓子を製造する際にバターやラードの代用品として使われ、焼き上がりはカラッとしたものになる。

. しょーとぶれっど【ショートブレッド】(Shurt Bread【英】)
 スコットランドの伝統的な焼き菓子。油分の多い厚焼きのバタークッキー。「short」(サクサク食感)+「bread」(パン)から名づけられた。

. しょこらてぃえ【ショコラティエ】(Chocolatier【仏】)
 チョコレートの専門菓子職人の意。カカオ豆からチョコレートを作る職人ではなく、知識・技術をもってチョコレートを加工して菓子を作る職人のこと。フランスでは国家資格となっている。男性の職人を「ショコラティエ」と呼ぶこともある。

. しょこらてぃえーる【ショコラティエール】(Chocolatiere【仏】)
 男性のチョコレート職人「ショコラティエ」の対義語で、女性のチョコレート職人のこと。

. しょこらとりー【ショコラトリー】(Chocolaterie【仏】)
 フランス語で「チョコレート専門店」の意。チョコレート専門職人がチョコレート菓子を作る施設。

. じんじゃーくっきー【ジンジャークッキー】(Ginger Cookie【英】)
 クリスマスにヨーロッパで作られる生姜とシナモンの香りが効いたスパイシーな伝統菓子。その起源は中世に始まった「生姜を食べて病気予防」や「香辛料による魔除け」など複数の説がある。ジンジャークッキーには薄焼きビスケットの「ジンジャーシン」と厚焼きしっとりクッキーの「ジンジャースナップ」の2種類がある。日本でもクリスマスの時期にクリスマスツリーや人形の形をしたジンジャークッキーが店頭で飾られたり、販売されたりしている。

. すいーつ【スイーツ】(Sweets【英】)
 昔はガムや飴など「甘い」お菓子の意味だったが、現在では有名パティシエが作る高級洋菓子を指す言葉として使われる。「デザート」のことを「スイーツ」と呼ぶこともある。

. すーぱーおーむぎ【スーパー大麦】
 「バーリーマックス」と名付けられオーストラリア連邦科学産業研究機構によって開発された非遺伝子組み換えの高機能大麦。一般の大麦と比べて総食物繊維量は約2倍、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は約4倍含んでいる。摂取すると腸内環境の改善が見込まれダイエット効果があるといわれている。

. すぺきゅらーす【スペキュラース】(Speculaas【蘭】)
 オランダやベルギーの伝統的なクッキー。もともとは「ミラのニコラオスの日」に食べるものだったが、現在では通年で食べるクッキーとなった。薄い固焼きクッキーでシナモンやナツメグ、白コショウが加わっているため、後味に苦みを感じる。

. ぜんりゅうふん【全粒粉】
 小麦の「胚乳」の部分だけを粉にする小麦粉に対して、小麦の「胚乳」「表皮」「胚芽」の全てを粉にしたもの。英語では「whole wheat flour(全粒小麦粉)」「whole grains(全粒穀物)」と表記する。色は茶褐色。特色としては小麦粉と比べて食物繊維・鉄分が3倍ほど多く、ビタミンB1やタンパク質・脂質も豊富だが、炭水化物が少ないため、血糖値抑制を売りにすることが多くみられる。クッキー・サブレの生成については、油分が多いためグルテンの形成が弱くなり、生地のまとまりが悪くなる。よって焼き上がりは小麦粉のものより割れやすい。そのため作り手によっては少量の小麦粉を加えて作ったりもする。また割れやすい製品となるため配送を断る製造元も多い。

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   タ行
. たると【タルト】(Tarte【仏】)
 パイ生地で作った皿型の器にクリームやフルーツを詰めた菓子。「タルト」は現在では総称で呼ばれているが、もともとはホールサイズの大きなものを指し、それを切り分けた一人分のサイズを「タルトレット」と、一口サイズで作ったものを「タルトレット・フール」を呼んでいる。愛媛県松山市の伝統菓子にも「タルト」という菓子があるが、それはカステラ生地で餡を巻いたロールケーキのことで全くの別物。

. ちゅうりきこ【薄力粉】
 小麦粉の中でもグルテン含有量がおよそ8.5~10.5%のもの。主にハードビスケットの生成で使われ、またうどんやお好み焼きなどにも使われている。別名「うどん粉」。主にオーストラリアや国内産の中間質小麦を製粉して作られている。

. ちょこちっぷくっきーのひ【チョコチップクッキーの日】
 5月23日。チェックイン時の宿泊客に焼き立てのチョコチップクッキーをプレゼントする「ダブルツリー」ブランドの日本初のホテル「ダブルツリーbyヒルトン那覇」が2014年5月23日にオープンしたことにちなんで制定された。

. でぃあまんくっきー【ディアマンクッキー】(Diamant Cookie【英】)
 クッキーの周りにグラニュー糖を付けキラキラした感じに仕上げるクッキーの一種。フランス語で「ディアマン」がダイヤモンドの意味からこう呼ばれている。

. でざーと【デザート】(Desert【英】)
 食事の最後に出される果物や菓子の総称。ケーキやアイスクリームの他ナッツ類もこれに含まれる。

. てんさいとう【甜菜糖】
 甜菜の根を煮詰めた時に出る糖蜜を乾燥させたもの、または加工過程で出る結晶と糖蜜を分けないで作る砂糖のこと。原料の甜菜は「砂糖大根(ビート)」と呼ばれ、日本ではほとんどが北海道で生産されている。カリウムやカルシウムなどのミネラル分や善玉菌のエサになるオリゴ糖が豊富に含まれている。

. どれんちぇりー【ドレンチェリー】(Drained Cherry【英】)
 さくらんぼを大量の砂糖と煮込み、中の水分を抜いた後に着色料で色付けした加工食品。クッキーを飾り付ける材料として使われる。手触りや歯触りがベタベタするうえにとても甘いため、現在の甘さを控える風潮の中では苦手な人も少なくはないと言われている。別名「マラスキーノチェリー」。

. どるちぇ【ドルチェ】(Dolce【伊】)
 イタリア語で「甘い」「やさしい」「やわらかい」菓子及びデザートの意。イタリアでは女性への誉め言葉としても使われている。

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   ナ行
. にんぎょうやき【人形焼】
 カステラに餡子などを入れて焼いた一口サイズの和菓子。発祥は名前にもなっている東京都中央区日本橋人形町。形は七福神などの縁起物が多かったが、現在では観光名所や有名キャラクターなどが作られている。

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   ハ行
. ぱーと・しゅくれ【パート・シュクレ】(Pǎte Sucrēe【仏】)
 タルト・パイ生地の一種。卵・バター・小麦粉・砂糖・塩をよく混ぜてから作る生地。焼きあがると甘みがありサックリとしたクッキーのような質感になる。

. はくりきこ【薄力粉】
 小麦粉の中でもグルテン含有量がおよそ6.0~8.5%のもの。クッキー・サブレの生成で使われ、タンパク質が少なければ少ないほど焼き上がりが繊細となる。主にアメリカ産の軟質小麦を製粉して作られている。

. ばたふらいぴー【バタフライピー】(Butterfly Pea【英】)
 東南アジア原産のマメ科の植物。美しい青色の花が蝶に似ていることからその名がついた。クッキー・サブレの生成では花の天然色素を使い、生地などで青い色を出す時に使われる。抗酸化物質ポリフェノールの一種「アントシアニン」が豊富で、摂取するとアンチエイジング、ダイエット・美肌効果・薄毛予防などが見込めることから特に女性に人気がある。ただ血小板機能の抑制の効果(血液サラサラ効果)があるため、生理中の女性は控えた方が良いといわれている。また子宮収縮作用もあるため、特に妊娠初期に摂取すると流産の可能性があるといわれている。

. ぱてぃしえ【パティシエ】(Patissier【仏】)
 日本では一般的に洋菓子店・レストラン・結婚式場・工場などで洋菓子・ケーキを作る「菓子製造人」のこと。和菓子職人のことは「パティシエ」と呼ばない。フランスでは国家資格であり、指定のコンクール受賞を条件として免許を発行している。また男性の職人を「パティシエ」と呼ぶこともある。

. ぱてぃしえーる【パティシエール】(Patissiere【仏】)
 男性の職人「パティシエ」の対義語で、女性の職人のこと。

. ぱてぃすりー【パティスリー】(Patisserie【仏】)
 ケーキやパイ・クッキーなど小麦粉を生地に用いた練り焼き菓子を扱う施設。ベーカリーの一種。日本では「おしゃれなケーキ屋」の呼称。フランスやベルギーではパティシエ(ペイストリー専門シェフ)の国家資格を持つ職人がいるベーカリーのこと。

. ばぶるわっふる【バブルワッフル】(Bubble Waffle【英】)
 香港で発祥で台湾やマカオなどでも人気となった泡のような形をした生地のワッフル。発酵させた卵の生地を半球状の2枚のプレートに挟み火を通して焼き上げる。

. びすけっと【ビスケット】(Biscuit【英】)
 基本的には小麦粉を主原料に練った生地を成型して焼き上げた菓子の総称。名前の由来はフランス語の「bis(2)」と「cuit(焼く)」を足した「biscuit(2度焼いた)」という焼菓子という意味で軍の保存食として作られた乾パンのことを指していた。またビスケット類にはサブレ・クッキー・パイ・プレッツェル・乾パンなどが含まれる。但し現在の日本でいう「ビスケット」は、主に糖分油脂分が全体の40%未満のハードビスケット(ソフトビスケットは「クッキー」)のことをいう。原料には中力粉を使い、油脂や砂糖を控え水分を多めに長い時間をかけて練ることによってグルテンが形成され、仕上がった腰の強い生地を薄く伸ばして焼き上げる。火ぶくれ防止のために小さな穴が開いているものが多い。

. びすけっとのひ【ビスケットの日】
 2月28日。1855年2月28日、長崎にパンの製法を学びに来ていた水戸藩の蘭医・柴田方庵が同藩の荻信之助宛に「パン・ビスコイト製法書」(オランダ人から学んだ軍用のパン・ビスケットの製法書)の書簡を送ったことから、全国ビスケット協会が制定した。

. びすこってぃ【ビスコッティ】(Biscotti【伊】)
 アーモンド風味で硬い食感のイタリアの伝統焼菓子。ビスケット同様、1度目は塊をそのまま焼き、2度目は切れ目を入れて焼く「二度焼き」をしている。イタリア・トスカーナ地方では食後のデザートとして甘口ワインに浸して食べる習慣がある。

. ふぃなんしぇ【フィナンシェ】(Financier【仏】)
 17世紀頃から作られていたと言われるフランスの伝統的菓子の一種。小さな台形型が金塊に似ているため、フランス語で「金満家」「金持ち」の意味からこう呼ばれる。小麦粉と同量以上アーモンドパウダーを混ぜ、それに卵白、焦がしバター、砂糖を加えて型に入れて焼く。

. ふぉんだん【フォンダン】(Fondant【仏】)
 クッキー・ケーキなどにかける砂糖衣。砂糖と水を煮詰め、それを冷ましてから攪拌して純白に仕上げたもの。色素などで色を付けて使用する。

. ぶらんじぇりー【ブランジェリー】(Boulangerie【仏】)
 主にフランスパンを製造販売する施設。「ベーカリー」の一種。

. ふろらんたん【フロランタン】(Florentins【仏】)
 名前はフランス語で「フィレンツェの」という意味を持つフランスの郷土菓子。クッキー生地にナッツ類をスライスしたものを乗せ、その上にキャラメルをかけてオーブンで焼いたもの。口の中に広がるナッツ類の香ばしさとキャラメルの甘さに人気がある。

. ぶろわいえ【ブロワイエ】(Broye【仏】)
 フランスのポワトゥー・シャラント地域圏の伝統菓子で巨大なクッキー。フランス語では「砕く」の意。

. べーかりー【ベーカリー】(Bakery【英】)
 一般にパン・パイ・ケーキなどをオーブンで焼く穀粉ベースのメニューを製造販売する施設。日本では「おしゃれなパン屋」の呼称。

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   マ行
. まーまれーど【マーマレード】(Marmalade【英】)
 果肉や果汁と共に果皮も煮詰め、それらに含まれるペクチンや酸でゼリー状に作る加工食品。主に柑橘系の果実を使われることが多い。パンに塗ったり、ヨーグルトに乗せたり、紅茶などに入れたりすることが多い。

. まどれーぬ【マドレーヌ】(Madeleine【仏】)
 フランス伝承の焼菓子。薄力粉・卵・砂糖・無塩バターを同量に混ぜ、そこにベーキングパウダーを加えて焼き上げる。全卵を使うと「マドレーヌ」、卵白のみを使うと「フィナンシェ」になる。名前の由来は最初に作った女性の名前「マドレーヌ・ポルミエ」から。

. もなか【最中】
 餅米の粉で作られた皮で餡などを挟んだ和菓子。最中の名前は平安時代、「拾遺和歌集」に収められている源順(みなもとのしたごう)の歌「水の面に照る月なみをかぞふれば今宵ぞ秋の最中なりける(みのおもに・てるつきなみを・かぞうれば・こよいぞあきの・もなかなりける)」に由来すると言われている。

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   ヤ行
. よーちかこう【ヨーチ加工】
 クリーム状にした着色砂糖にビスケットをドボンとつけたような加工方式。砂糖を原料としているところはアイシングクッキーと同じだが、ヨーチは大雑把なアイシングで量産が可能で、アイシングクッキーは精密なデザインで量産に向かないというのが一般的な区別である。ヨーチはイギリスの「kindergarten Biscuit」が由来で「kindergarten(幼稚園)」の「ヨーチ」が名前の由来といわれている。

. よつばばたー【よつ葉バター】
 本社を北海道札幌市中央区に持つ1967年創業の乳製品製造会社「よつ葉乳業」で製造されるバター。原材料は北海道十勝産の生乳で、ミルクの味わいとコクが活きた贅沢な味わいを持っている。バターの種類は「加塩」「減塩」「食塩不使用」の3種類あるが、パンやお菓子作りには「食塩不使用」が適している。

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   ラ行
. らんぐどしゃ【ラングドシャ】(Langue de Chat【仏】)
 17世紀頃から作られていたといわれるフランスの伝統的菓子の一種。「Langue de chat」は「猫の舌」の意味で、楕円形の形状でざらついた軽い食感を持つ小麦粉製の焼菓子のためこう呼ばれる。

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   ワ行
. わっふる【ワッフル】(Waffle【英】)
 ギリシャ発祥の焼菓子。小麦粉・卵・バター・牛乳・砂糖・イーストなどを混ぜ発酵させた生地を、格子模様などの2枚のプレートに挟み火を通して焼き上げる。ギリシャの伝統菓子「ウブリ」に凹凸模様を付けて焼き上げ「ゴーフル」と呼ぶようになったのがその始まり。

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